テニスラケットってなぜカタログに載ってる数値と違う重さやバランスポイントの物があるの?




いつも拝見していただきありがとうございます。
どうもスポスペです。

タイトルの通り、なぜテニスラケットはカタログに掲載されている数値と違う、重量やバランスポイントの物があるのかを簡単にですが紹介できればと思ってます。

皆さんはテニスラケットの製造工程の一部は手作りなのをご存知でしょうか?

世界中で大量に売られているので、普通は大量生産する為に完成まで機械が自動で作っていると思いますよね。

しかし、実際に機械が作るのはフレーム本体のカーボン部分やグリップの形成などで、細かく言えばまだありますが、大元を作ってしまえば、あとは人が組み立てています。

人の手が加わっている事で、ラケット1本1本に差が出てくることになるわけです。

「でも、決まったパーツを組み立てれば全部一緒になるのでは?」っと思いますよね?

その差がなぜ生まれてくるのか簡単に紹介していきます。

※例としてHEADタッチプレステージMPのラケットで説明しようと思います※

最初に機械で成型されるフレームについて

まずフレーム本体ですが、最初に成型されるのはカーボンむき出しの状態のラケットです。

塗装も何も無く、グリップ部分も細い芯の状態で成型されてきます。

HEADラケットに限ったことではありませんが、ほとんどのラケットが何も付属パーツが無い状態で製造されます。

※イメージしやすいように写真を載せてます。
※中の芯に刺さってるはエンドキャップを留めているホッチキスみたいなやつです。
※錆びているのは水没したラケットを使ってるからです。普通は錆びてません。

そして成型されたフレーム本体の重量は、カタログ値よりもずっと軽い状態で成型されてます。

当然ですよね。ここから塗装を塗って、グリップ付けて、グロメット付けてってなるんですから。

とりあえず、これから人の手が加わっていきます。

ラケットの塗装

ラケット本体の塗装ですが、これも人の手が加わっている部分になります。

ラケットのデザインは製造前からサンプルを作るなどして決めていきますが、塗料もまた塗れば重さがあるものです。

ラケットの塗装は、目的の色を正確に出す為に、一度全て白色に塗ってあります。

そして何重にも塗料を塗っていき、ロゴや文字の印字などのシールを塗装に入れ込んでいきます。
(結構塗り方が適当なメーカーもあり、製造時期に差があると同じラケットでも微妙に色が違います。どこのメーカーとは言いませんが・・・)

これも人の手が加えられているので、1本1本微妙にロゴの位置がズレていたりするのはその為です。

ムラがあったり、黒地に赤の塗装が入り込んでいたりするのは製造者が雑なのが原因です。
中国製だしね。ヨネックス以外。

ラケットのグリップ部分

こちらも各グリップサイズを作る為に人の手が加えられている部分になりますが、このグリップ部分が重量とバランスポイントに違いが出てくる原因となってます。

まずHEADラケットはパレットと呼ばれる物で各グリップサイズを作っています。
グリップ2なら2のパレット、グリップ3なら3のパレットといった感じですね。

このパレットは、芯の部分をサンドイッチした形でくっつけます。
なので、真ん中にパレットの継ぎ目があります。

バボラやヨネックスなど、他メーカーのグリップ部分はウレタンで成型されていますので、構造が違います。

そしてグリップ部分は、製造工程でトータルの重量とバランスポイントを決める為の部分でもあります。

グリップのフレーム内部にはバランサーなどでその商品にあった既定の数値内を目指して調節してます。

ヨネックスの様に内部までウレタンを入れている場合もあります。

これが既定の数値内に重量とバランスポイントが入ると、調整を止めてしまうので、ここで重量とバランスポイントのバラつきが発生します。

各メーカーによってはこの既定数値が違ってきますが、ここも製造者によって重い物ばっかり作ったり、軽い物ばっかり作ったり、しっかり平均値付近になるように作ったりと、本当に差があります。

なので、製造時期でけっこう違ってきたりします。

その他、知っておきたい知識

ラケットは、これ以外にも「グロメットの装着」「元グリップを巻く」と人の手による作業工程が結構あります。

店頭に並んでいる新品のラケットで、グロメットは装着されているが、奥まではまっていなかったりするのは手作業だからです。

特にHEADのプレステージはフルキャップグロメットなのではめにくいのは判りますが、しっかり奥までは入っていなかったりします。
(ガット張る時にしっかり押さえ込んで張れば入るので問題はないですが、気にされるお客さんは多かったりしますね)

元グリップを巻く工程も手作業です。

これも店頭に並んでいるラケットを見比べてもらえれば判りますが、巻くスタート位置が違っておりますし、グリップの重なり具合も違ってます。

さらにグリップは引っぱって軽く伸ばしながら巻いていきますので、その力加減で同じグリップサイズでも太さが若干異なってきます。

これを知らない人が多いので、自分がすでに持ってるラケットと握り比べてグリップサイズが違うと感じて、ショップにクレームを言う人もいます。
(メーカーがはっきり言ってないので知らないのは当然ですが。)

グリップサイズにもメーカーが許容している誤差があり、その誤差がグリップの直径プラスマイナス0.5mmとなっています。

これも知っておくと良いポイントでしょう。

まとめ

ちょっと大雑把だったかもしれませんが、何となくラケット1本1本に差があることは判っていただけたのではないでしょうか。

テニスラケットは手作りの商品となりますので、重量やバランスポイントは手作り故の差だと思っていただければと思います。

メーカーも詳しく告知しているわけではありません。

バボラは良心的で、カタログやフレームの印字にプラス/マイナス7g/7mmと記載してますが、ほとんどのメーカーはカタログに「平均値」などの書き方になっていたりしますし、平均値すら書いていないメーカーもあります。

他にも振った時の重量を表す「スイングウェイト」や、ラケットの硬度を表す「フレックス値(RA値とも言う)」など細かいことを言えばキリがないですが、この重量とバランスポイントの事は知っておいてもらいたいです。

ラケットを複数本買う予定のある人は、特にこの2点は気にして頂きたい。

バボラ ピュアドライブを例にした場合、
重量300gプラスマイナス7g /バランス320mmプラスマイナス7mm

1番軽くて293g バランス313mm めちゃくちゃ軽いです。
1番重くて307g バランス327mm めちゃくちゃ重いです。

ここまで差が出るとさすがに同じラケットに感じません。
実際に、ありえる数値ですし私自身もこんな数値を見たことあります。
振ったら全く別物のラケットに感じます。

なので、複数本購入する方は、できる限り数値の近い重量とバランスポイントのラケットを選ぶようにしてください。

別に平均値じゃなくたってよいのです。

重量とバランスポイントが近いラケットを使用することで使うラケットの使用感に差が無くなり、交互に使っても違和感なく同じようにプレーして楽しくテニスをしてほしいのです。

1本買ってもう1本買う時に全く違った数値のラケットを選んで後悔してほしくないだけです。

なので、1本だけ先に買う場合は、そのラケットの数値をメモしておいて下さい。
2本目を買う場合は、その数値に近いラケットを探せばOKなんです。

個人的には重量よりバランスポイントの数値を合す方が重要だと思っています。

1mmのバランスポイントの誤差より、1gの重量の差の方が感じないからです。

最後まで読んでいただいた方には、多少なりとも知識を得てもらえたのではないでしょうか。

ちょっと気にして自分の持っているラケットを測ってみてはいかがでしょうか。
同じラケットでも差がありますよ!

P.S
ヨネックスは誤差少ないラケットが多いです!
ウィルソン・バボラ・ヘッド!数値バラバラで合す方は大変なんじゃ!!!泣